市政野名だより第25号

投稿日: 2016年9月4日 作成者: nonasumiyo

市政野名だより第25号(PDFファイル)

市政野名だより第25号
発行者 野名すみよ 

志摩市大王町波切108-1
平成28年8月発行 ℡72-1320

◆浜島診療所土地の寄附手続き
地方自治法・市の規則に違反
 本年3月議会で、浜島診療所土地の寄附にかかる事務手続きが、地方自治法第96条をはじめ志摩市の規則・規程に違反していることが発覚。議会は浜島診療所土地に建設する、「あおぞら市」の事業費約4700万円を28年度予算から削除しました。
この「あおぞら市」は、昨年も約6700万円の積算根拠と「市内朝市」の計画が不透明として、議会は予算を凍結しています。週1回、移動販売車が2~3台しか来ない「朝市」に、4700万円も必要でしょうか。

▼大口市長は「あおぞら市」を約束
 浜島診療所跡地の寄附については、平成25年2月1日に大口市長が旧浜島診療所跡地を「あおぞら市」に活用するとして寄附願いを提出。26年2月28日、志摩市に所有権が移転されています。
 柴原前副市長は、「『あおぞら市』を建設しなければ、旧浜島診療所の土地を返還しなければならない」と説明しました。約束を履行できなければ、土地を返還しなければならないとすれば、地方自治法第96条の負担附き寄附に該当し、寄附を受ける前に議会の議決が必要です。議決を得ていない今回の寄附行為は、地方自治法違反にならないかと、私は質しました。
当時の幹部職員は、「市が受理した土地寄附申請書以外に、地方自治法違反となる約束を記した公文書(覚書等)は保存していない。負担附き寄附ではなく指定寄付である」と、断言しました。

▼柴原前副市長の「覚書」が発覚
私の質問後、上村秀行議員が幹部職員から無いと一蹴された「覚書」を手に、副市長を追及しました。
「覚書」には、「あおぞら市の計画図に基づき計画が履行されない場合は、用地を現状復旧し返還します(要約)」と記され、柴原前副市長名で副市長の公印が押してありました。日付は平成26年2月5日。
前副市長は「覚書」の作成を認め、「私が全て交渉していたので、決裁を取らずに「覚書」に公印を押して渡しました。今、考えれば軽率であったと反省するとともに、責任を感じています」と謝罪しました。

▼「知らないが公文書だ」と大口市長
「覚書」が発覚した時、大口市長は「見たことも聞いたこともない。副市長一人が作成した私文書だ」と答弁。職員も「覚書」は知らないと答えました。
ところが後日、市長は「公文書は存在しないと申し上げたが、内容と公印の押印等を検証した結果、志摩市の公文書であると判断した」と前言を撤回しました。
大口市長は、「公印が押してあるから公文書だ」と主張。私は「公印が押してあっても、手続きが違法なら公文書にはならない」と反論しました。

▼「覚書」は公文書か?
 私は、「覚書」は公文書ではないと思います。前副市長が作成した「覚書」は、地方自治法や市の文書管理規定、事務決済規程、公印規則等の手続きを経ておらず、市に公文書として保存もされていません。
しかも前副市長は、自分に権限のない約束を市長の了解も得ずに交わしていました。当然、発覚するまで市長も職員も「覚書」は知りません。
このような公文書の体を為していない私文書が、大口市長の「鶴の一声」で公文書になってしまう大口市政。法令違反や市の規則・規程に違反している「覚書」を、異論を唱えず調査不要として11名もの議員が黙認してしまう志摩市議会。これでいいのでしょうか。

▼副市長は公印を押す権限がある!
大口市長は、前副市長が独断で公印を押したことについて、「副市長には、副市長の公印を押す権限がある」と開き直りました。私は「副市長に、市長の私に相談せずに公印を自由に押してもよいとお墨付きを与えたのか」と追及。市長は弁解に終始しました。
市の公印規則には、①公印は鍵のかかる場所に保管する②決裁済の起案文書と公印を押す文書に、公印取扱い責任者の認印がなければ公印を使用できない、と定めています。市長、副市長といえども、この規則に違反して勝手に公印を押すことはできません。
なのに、前副市長は独断で公印を押し、大口市長は公印規則違反を擁護し正当化しています。
大口市長の答弁を集約すると、「志摩市の市長や副市長は、地方自治法や市の規則等に違反しても、自分の権限で公印を好き勝手に押してもよい。私文書でも後から市長権限で公文書と認める。公印を押してばれたときには辞職すれば責任はない」と受け取れます。
今の志摩市は、「法令あって規範なし」といえます。

▼100条委員会設置の発議
反対多数で否決  
責任を取って、柴原前副市長は本年3月末で辞職し、大口市長は給与1か月15%を減給しました。しかし、議会には事件の全容を説明していません。
私は法令等違反に至った経緯を調査し、今後の対応策を講じることが議員の責務と考え、100条委員会設置の発議を提出しました。結果は反対11名、賛成6名で否決されてしまいました。

賛成議員 竹内千尋、上村秀行、金子研世、大西美幸、
  濵口三代和、野名澄代、

反対議員 渡辺友里香、中村和晃、畑美津子、山下弘、
 井上裕允、山際優、小河光昭、坂口洋、
     上村繁子、西﨑甚五、福田和義 
◆市長交際費の怪
 大口市長は手続きも決裁もせず
 市長交際費とは、市長が市を代表して市の利益を図
るため、外部との公の交際を円滑に進めるために必
要な経費です。予算は年額50万円。市長の私的な交
際には使えません。 
市長交際費は適正に使われているか、大口市長の平
成22年度から27年度までの5年間を調査しました。
 結果は、市の支出負担行為の手続きはなし。複数業者の見積もりをとらず、特定業者を優遇したと窺える取引が数件。支払いは原則口座振替なのに、市長の現金立て替え払いが数件。贈った相手先の記録はなし、でした。

▼発注書、受注書、納品書はなし
 「不正はしていません」と大口市長
 平成24年3月31日、10万円ほどの真珠製品10個を購入しています。この取引も市で定められた「発注書、受注書、納品書」といった支出負担行為と購入以前の発注伺いなどの手続きを経ていません。
市の規則では、50万円未満の物品購入は支出負担行為の規制が緩やかです。それを利用して手続きをしていないとしたら、それこそ市の規則を悪用していると言わざるを得ません。
 贈った相手先についても、「市長が必要という、行った会議と組織に対して持って行った」としか答えず、大口市長も「不正をしていない」と弁解しました。
不正をしていないのであれば、「決められた手続きを経て、いつ、どこで、何の目的で、どの組織に贈ったのか」、明確に答えれば済むことです。
答えられない理由があるとすれば、疑念を持たれても構わないという意思表示だと受け取れます。

▼特定業者を優遇か
大口市長は「指導します」と謝罪
 平成24年度に、大口市長はH社から市長交際費で海女ストラップ200個7万円余、25年度に缶バッジ500個5万5千円を購入しています。いずれも複数業者の見積もりを取っていません。
 H社に発注した理由は、「これまでにもお願いしている業者で、この業者でないと扱っていない物もあるから」と担当部長は答えました。
 「市の物品購入は、今まで買っていた業者を見積もりも取らずに優先するのか。また、発注した缶バッジ等は、全国でH社しか扱っていないのか」と質した際、大口市長は「業者はたくさんあるが500個1000個単位ですと、単価も違いますし、いろんなことがありますので……」と弁解しました。  
しかし、単価はH社と複数業者の見積もりを比較しなければ、どちらが安いか判りません。その判断材料として、見積もりを取るなどの手続きが必要なのです。
平成25年、観光協会が市の事業補助金を不正流用した中の50万円を市観光戦略室に還流し、H社から缶バッジ等を購入しています。この時も複数業者の見積もりは取っていません。
この一連の流れから、大口市長はH社と親しい関係にあるから優遇したと疑念を持たれても止むを得ないと思います。潔白を証明できる証拠書類を自ら放棄した大口市長。どのように釈明するのでしょうか。
大口市長は「次からは見積もりを取り、皆様に正確に出せるようにしたい。物品購入に対して私の指導不足でした。白日にさらしても間違いのないように指導します」と謝罪しました。
職員の指導は必要です。でも、私が強く指導をお願いしたい相手は、大口市長です。

▼黒塗りの支出命令書と領収書
市長交際費の中に、購入した相手先を黒塗りにしている支出命令書と領収書がありました。
真珠のブローチ3個とタイタック7個。金額は76,000円です。支出負担行為兼支出命令書には、ブローチ3個、タイタック7個と記載されていますが、他業者のように製品別の単価が記されていません。
私が不可解に思うことは、市長自ら真珠製品を買いに行き、現金を支払っていながら、相手先の名前を黒塗りに隠していることです。
 担当部長は、「個人名だから、黒塗りにした」と答えました。しかし、公費で物を買うのに名前を隠さなければならない相手から、なぜ、買わなければならないのでしょうか。
市長の現金立て替え払いにも問題があります。志摩市の会計規則では、原則、口座振替です。なのに、大口市長は現金を支払い、後で担当部局が返金しているケースが数件あります。
陳情に行くときに土産物を買うなど、緊急的なことでなければ、何時、どこへ支払ったか、証拠が残る口座振替にすべきです。
市長の座は、清廉潔白であったとしても、時として色眼鏡で見られてしまうことが多々あります。それ故に、常に疑念の火の粉が被ってきたとき、身の潔白を晴らすための証拠書類として、定められた手続きを踏まなければならないのです。

▼贈った相手先の記録はなし
 市長交際費で、購入した物品の贈り先が記録してありません。「いつ」「どの組織に」「何を贈ったか」の記録がなければ、市長交際費が公の交際を円滑に進めるために使われたのか、判断できません。
 大口市長は、「市長交際費で真珠や缶バッジを買い、親族や知人にばらまいた」と疑いをかけられたとき、記録があれば疑いを晴らすことができます。記録がなければ疑いを甘んじて受けざるを得ません。
不正をするトップは不利となる記録は残さない、王道を行くトップは法や規則等を遵守し、証拠書類として記録を残す、と言われています。
大口市長は、どちらのタイプでしょうか。