投稿日: 2010年9月7日 作成者: nonasumiyo
◆市長が審議中に撤回
鵜方第二保育所廃止案
本年二月一五日、大口市長より「民間保育所の参入に伴い、鵜方第二保育所を平成二三年三月三一日で廃止する」と議会に説明がありました。民間保育所は平成二三年四月開所予定です。
私は民間保育所の参入には賛成です。しかし、鵜方第二保育所の突然の廃止は、地域住民の理解が得られるのか懸念していました。
市長の答弁は「進めていきます」でした。
三月一六日、予算特別委員会に鵜方第二保育所関係者と見られる多数の方が傍聴に来られました。すると市長は、突然「当分の間、鵜方第二保育所を残します」と、審議中に廃止案を撤回してしまいました。
▼撤回を評価した坂口・高岡議員
休憩中のことでした。私は、市長に、「審議中に撤回するような議案なら、最初から提案すべきではない。もう少し慎重にしてほしい」と苦言を呈しました。
それを聞いた坂口洋議員は、「関係する地域の人達のいる席で撤回したことは、住民のためによいことだ」と横から応酬し、高岡英史議員も同調しました。
議案とは、そんなに軽いものではないと思います。議会に提出した議案を、市長が簡単に撤回するようなことが常態化すれば、市政は混乱します。
地域住民に理解を求める準備期間もおかず、保育所廃止を打ち出し、反対の声が上がるとすぐさま撤回した市長。
私はこのような政治手法が、「住民によいこと。評価に値する」とは、とうてい思えないのですが…。
▼民間保育所建設で
市の負担軽減は一億四〇〇〇万円
公立保育所施設整備補助金等が平成一八年度から廃止されました。そのため、市が保育施設を建設する場合、事業費約一億八〇〇〇万円の全額を負担しなければなりません。
民間の場合は、国から補助金が出るので、市の負担は事業費の四分の一の三八〇〇万円ですみます。
▽民間保育所の概要(定員九〇人)
・建設予定地…阿児町神明八七八番地
・保育内容…乳児保育(生後五七日目から)
延長保育(午後七時まで)、障害児保育
・保育料…市と同額
◆予算可決後に中止
浜島小学校の通学路整備
本年一月二一日の臨時議会で承認された浜島小学校の通学路整備が、中止されました。
市の報告は、次のとおりでした。
「浜島町自治会の要望を受け、本年一月一七日に保護者会で予定地を説明した際、異論がなかったので決定しました。ところが四月二三日のPTA総会で、『急傾斜地の階段は危険だから、ホテル紫光前の県道に歩道を設置してほしい』という意見が圧倒的で、市が示した予定地に賛成した保護者は一人もいなかった。」
市長は民意を受けて通学路の整備を中止しました。
この民意、事業に着手する前に調査すべきです。
▼市長は「がけ崩れ」を承知で決定
計画段階で、市長・副市長は通学路予定地を歩き、安全性を確認したとしています。しかし現地を見れば一部区間にがけ崩れがあり、迂回路が必要であることその迂回路には急傾斜の階段を設置しなければならないことは、すぐ分かるはずです。市長・副市長はいったいどこを見て安全と判断したのでしょうか。
保護者から反対されて中止するまでに、すでに業務委託料等百八二万円が使われていました。浜島地区教育施設整備基金から出されたこのお金。「無駄な出費」との批判は免れません。
◆火葬場建設予算を可決
本年七月一六日の臨時議会で、磯部町三ヶ所地区に建設する火葬場の一部費用四二七一万円が可決されました。賛成は一六名、反対は五名でした。
反対議員…助田時夫、谷口覚、森本雅太、上村繁子、野名澄代(敬称略)
▼建設反対派は自治会を提訴
火葬場建設事業費は約一三億四五〇〇万円。国から補助金は出ません。合併特例債を使えば、市の負担は約三億八四〇〇万円に軽減されますが、期限があるため、用地取得を急がなければなりません。
ただ、反対派の方々が自治会の決議無効を求めて提訴しており、現在係争中です。
数名の議員がこの裁判を懸念して、市長に「敗訴しても建設を進めていくのか」と質しました。「臨機応変に対応します」と市長。「勝訴敗訴に関わらず建設を進めていくのか」には、「固い決意で臨みたい」と答えたものの、敗訴した場合の対応については、何度質問されても、あいまいな答弁に終始しました。
私は火葬場建設には賛成です。急がなければならないとも思っています。しかし、予算承認後に計画を撤回すれば、市は四二〇〇万円余を捨てることになります。ですから、「不退転の覚悟で臨む」姿勢を市長が見せないのであれば、私は一審判決後に予算化した方がよいと判断し、現時点の予算案に反対しました。
◆県営志摩水道を志摩市へ
県営水道を志摩市が受託する(水道一元化)ための一部予算が、六月定例会で可決されました。これは昨年九月定例会で継続審査とされていたものです。
反対議員…中村和晃、福田和義、谷口覚、野名澄代
松尾忠一、浜口三代和、山際優、上村繁子
西崎甚吾、杉木弘明(敬称略)
▼指摘されてきた問題点
県営志摩水道を志摩市が受託することに関して、これまで次の事項が問題とされてきました。
① 施設の耐用年数が管理棟九年、事務所一六年、貯水施設一三年と短い。
② 送水管・導水管は耐用年数四〇年を過ぎており、改修に約七八億円が必要となる。
③ 借金二五億円を引き継がなければならない。
④ 将来、大規模な施設の改修や人口減による使用量の減少から、水道料金の値上げが懸念される。
▼「一元化は得」と大口市長
① これまで県に支払っていた受水費一〇億円が二億五〇〇〇万円に減額され、年間七億五〇〇〇万円の得になるから、県からそれ以上の支援は無理。
② 送水管・導水管は耐用年数を過ぎても、現在漏水
がないので半永久的に大丈夫。
③ 水の使用量が減れば経費が少なくなるので、水道料金は下がる。
▼私の反論
① 年間七億五〇〇〇万円の得は間違い。市の担当部局は県・市どちらが運営しても、人件費や借金返済を含めた経常経費は約一〇億円と試算している。
② 震度三の地震で管路が破裂した事例がある。管路
の補修を計画的に行ったとしても、補修費はすべて市の負担となる
③ 水の使用量が減れば水道会計は赤字となり、料金の値上げにつながる。
▼受け入れ条件は整っていない
県企業庁は県の水道用水供給事業と市の水道事業を一本化するために、県営志摩水道を志摩市に譲渡する方針です。
これを受けて大口市長は、議会に説明もなく、昨年締結した基本合意書の年度だけを変え、本年三月に再度基本合意書を締結しました。
二五年後の志摩市の推計人口は三万五〇〇〇人です。高齢化率が高く、税収入が減ると推測されます。そのとき、志摩市の財政で、水の供給源を安定して管理運営できるのかを考えなければなりません。
私は将来、水道用水供給施設が足かせとなり、水道料金の値上げを余儀なくされることのないよう、大口市長に県から支援を引き出すことを求めました。
◆伊雑の浦の漁場再生に
鉄鋼スラグを使用
「伊雑の浦地区漁場再生協議会」の提案のもとに、磯部町伊雑の浦に鉄鋼スラグが使用されます。
財源は国土交通省の「建設業と地域の元気回復助成事業」。漁業再生協議会の構成は、志摩市・三重県建設業協会・三重県建設業協会志摩支部・鳥羽磯部漁業協同組合・志摩市商工会です。
▼鉄鋼スラグで環境汚染・健康被害が多発
鉄鋼を生産するときにできる副産物が鉄鋼スラグ。用途はセメント原料やコンクリート骨材・路盤材などです。愛知県と北海道ではリサイクル資材に認定され人工干潟造成や漁場再生にも利用されています。
半面、環境汚染や健康被害が多発しています。
▽鉄鋼スラグ使用事例
・北海道増毛町…磯焼けが改善され、昆布が再生。
・愛媛県今治市…環境基準を大幅に超える水銀・ヒ素・鉛が検出。カキや魚が次々に死に、周辺住民に健康被害が多発。業者は一〇億円をかけて撤去。
・鳥羽市の松尾工業団地で造成工事に使用した路盤材から基準値を超えるフッ素が検出。業者は撤去し、造成工事はやり直された。
・環境基準を超える化学物質が愛知県で三ヶ所、三重県で一ヶ所検出され、撤去命令が出された。
ほかに千葉市・松山市・名古屋港でも環境汚染。
▼漁場再生にはヘドロ除去が最良
三月定例会で、松尾忠一議員が鉄鋼スラグによる
環境汚染問題を取り上げ、「伊雑の浦での使用はやめ
るべき」と質しました。
大口市長は次のように答弁しました。
「あちらこちらで、鉄鋼スラグに対する警鐘が出てきた。私は漁民のこと、また、風評被害のことを考え、今は踏み込むときじゃないと思い、当該団体を呼び、『鉄鋼スラグを自粛しなさい』と言った。彼らは『わかりました。今回、自粛します』といって決着がついています。」
その後、鉄鋼スラグの使用が中止されていないことから、私は六月定例会で、「自粛を申し入れたが、『判断は当該団体にゆだねる。実験の結果がよければゴーサインを出す』ということですか」と質問。市長は「イエスかノーかを迫られると、回答に困るところであります」と逃げました。鉄鋼スラグを「使用する、しない」だけのことに、なぜ答えられないのでしょうか。
私は環境汚染の危険性がある鉄鋼スラグは、使用すべきではないと思います。漁場再生には、浚渫によるヘドロの除去が最良です。市の財政に見合った事業費でヘドロを除去し、堆積した場所と除去した場所のアオサの生育状況を調査しながら、県や国から浚渫の補助金を引き出す努力をすべきです。
